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クジラの彼/有川浩

良くも悪くもこの作者らしいラブストーリー短編集。

どうも私はこの作者の描く女性がやや苦手らしい。
この短編集に出てくるヒロインたちも、細かいところで違う部分はあるけれど、
ほぼ全員が同じテンション。自分を「あたし」といい、妙にノリがよく、でもどこか屈折している。

これが一人に限ったなら個性的且つ魅力的ということになるのかもしれませんが、
どのヒロインも肝心な部分にそれほどの違いがないので、
その個性的な部分もこの作者の本の中では当たり前になっています。

これってやっぱり作者自身を投影してるんでしょうか。
それともラノベのラブストーリーって
・・・・ヒロインの性格はほぼ同じ、出てくる恋の相手はお約束を踏まえたステロタイプで・・・
というふうな感じなんでしょか?

この作者の描く男性たちは皆それぞれ魅力的なんですが、
よくよく見るとそれもまた大きな違いがない。
冬原は小牧、夏木は堂上、手塚は高科と、ほとんどが誰かを彷彿とさせます。

またこういうのがヒロインか、とか
相手ははまたこういうタイプか、と
読み始めに思わせるのはちょっと勿体無いのでは。

どうも読後にすっきりしたものが残らないのは、
やっぱりヒロインたちに苦手感があるからなのか。★★★

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プーケットは・・

Img_2009
ええっと、ずいぶん前にベトナムに戻ってきてはいたのですが、あまりの疲れにブログの更新が遅くなりました。

プーケットの海は碧かった。
そしてその海を見てのんびりするはずだったのに、なにやらダンナがお腹をこわしたり、怪我したり、ホテルがオーバーブッキングだったり思わぬトラブル続出の旅となってしまいました。

きっと何のトラブルもない旅よりは、思い出に残ったりもするのだろうなぁ、と思いつつも、しばらくはプーケットには行かなくてもいいや、と思う管理人でした。

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僕たちの戦争/荻原浩

根拠なしポジティブの現代を象徴するようなフリーター尾島健太と
終戦間際の日本でお国のために身を捧げる覚悟をしている軍国青年石庭吾一が
時空を超えて入れ替わる。彼らは元の時代に戻れるのか?

設定も好きだし、荻原氏の文章もわりと好みなので買ってみました。
途中まではよかった。途中までというかほとんどラストまでは。
健太が愛するミナミのために、命を賭けるのは意外でしたが。
しかし読み終わって、怒りの余り思わず本を投げました。


この先はネタバレです。というか私の愚痴になるので、
読みたくない方は回れ右でお願いします。

まず、小説家として読者に想像による結末の決定権を与えるのはやめて欲しい。
「最後、どう考えても君たちの自由だから、好きに想像してね」
と投げられても正直困ります。というかそれじゃあ何のために本を手にとるのか。
少なくとも私は作者の創造する世界に飛び、
思いもよらない結末を楽しみに本を読んでいます。

結末を読者の想像に任せるという手法の本はいくつか読みました。
岡嶋二人氏の「クラインの壷」もそうでしたし、
東野圭吾氏もその手を使いますが、
はっきり言って私には納得できる手法ではありません。
気持ちの悪い読後感が残るだけです。

今回の「僕たちの戦争」もまさにそれでした。
オビに「衝撃のラストをあなたはどう思いますか?」とありましたが、
なんのことはない、最後を読者へ放り投げてのラストでした。
ハラハラしながら最後はどうなるのか、と楽しみに読んでいたのにこの仕打ち。
ほんと勘弁して下さい。★

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プリズンホテル1&2/浅田次郎

読んでいるうちにこのテイストって・・と思い出したのがつかこうへい氏の作品。
驚天動地のブスとかパープーとか、コンプレックスの塊の男とか、
言葉の使い方がまさにそんな感じ。

普段の浅田氏の作品から見るとちょっと異色かもしれませんが、
なにしろ登場人物たちが魅力的で、飽きさせません。
そしてやっぱり各所で効いている浅田節。
ついついホロリと来てしまう場面ももちろんあります。

これからこのホテルはどう流れて行くのだろうかと
是非続きを読みたい作品です。★★★★

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東亰異聞 /小野不由美

一言で言うと面白かったです。

最初の方はなんとなく江戸川乱歩ちっくだなぁと思いながら、
たらたらと読んでいたんですが、
後半、俄然面白くなって来て一気に読みました。
ともかく伏線が効いてます。
なるほどここに行き着くのか、と目から鱗でした。

ただし、常と直の動機と行動については、
いまいち納得しかねましたが、
初子の呪詛による傀儡と思えばまあ納得か。

大帝が稀代の能力者であったとか、
輔が実は陰陽師であったとか・・・。
耽美な描写と雰囲気が、まさに私好みのお話でした。★★★★

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